緑の水辺 薬用植物紹介 |
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キキョウ科(Campanulaceae)。日本全国の日当たりの良い山野、路傍に自生する多年生草本。全株に細毛を帯び、茎は円柱状で高さ60〜100cm。葉は卵〜長楕円形で輪生するが、対生または互生のものもある。夏から秋にかけて淡紫色で釣り鐘状の花が下向きに数個輪生する。根は黄灰色で大形の紡錘形。キキョウの根に似るが横じわがあり、芯がない点が異なる。この根を沙参(シャジン)と称し、「山でうまいのはオケラにトトキ嫁にやるのもおしござる」と、里謡にも歌われており、奈良・平安時代のころには、しばしば人参や竹節人参と間違えたり、混同されて強壮薬にも用いられたが、今日では強壮薬としてはほとんど用いない。 | |||
採取時期:11月頃 調製法:地上部が枯れた頃に採取し、水洗後、細かく刻んでから日干しにする。 成 分:サポニン、イヌリン等を含むが未詳。 適 用:鎮咳・去痰薬 用法・用量:乾燥した根を一日量8〜10グラムとして、200mLを加えて半量になるまで煎じ、毎食後3回服用する。苦味やえぐみがあるので、沙参の半量の甘草を加えてもよい。 性味:性は微寒、味は甘・苦 帰経:肺・腎経 その他:沙参は局外生規において「Adenophora triphylla Fischer又はその他近縁植物の根である」と規定されている。その他同属植物には Adenophora triphylla (Thunb.) A. DC. var. japonica (Regel) Hara等がある。 |
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(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供) |
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