緑の水辺 薬用植物紹介 |
| |||
ヤブコウジ科(Myrsinaceae) 各地の山地の木陰に見られる常緑の小低木で、群生することが多い。地下茎は20cm 内外で、枝分かれすることは先ずない。 地下茎は横に長く伸び、所々に分岐し、地上に茎を立てる。 夏(7〜8月頃)、葉のわきから2〜5個の白色小花を下向きに咲かせ散状の花序となる。果実は直径約5mm の球形で紅熟する。 秋から冬にかけてマンリョウと同様に、冬も枯れない艶やかな葉と赤い美しい実が楽しめるので冬の景物として盆栽にされたり、庭園に植えたりする。 万両や千両に対し一両と呼ばれている。 稀に果実の白熟するものや、葉が縮れたり、斑入りのものがあって、古くは園芸品種が多く、「ヤマタチバナ」の名で、『万葉集』や『源氏物語』などにも出てくる。 "あしひきの山橘の色に出でよ 語らひ継ぎて 逢ふこともあらむ" 春日王 根を乾燥したものを「紫金牛」と呼び、ベンゾキノン誘導体のrapanone と呼ばれる黄色結晶性の物質やベルゲニンが含まれ、主に解毒、健胃、利尿、鎮咳薬に利用される。rapanone には条虫駆除作用もある。 |
|||
|
|||
(写真、文ともに奈良県薬事指導所提供) |
ホームページに戻る | 植物メニューに戻る |