ワインを貰った話

新規作成日付
1998年8月12日


貰ったワインは、おいしかった。
貰ったワインは、フルボディのワインでした。私の兄は、フルボディのワインが初めてでした。彼は、「うまい、私にもわかる。」と。 貰ったのは、メキシコのティファナへ仕事に行く飛行機の中です。96年6月の話になりますが、聞いて下さい。


仕事先は、メキシコ合衆国のティファナでした。東南アジア以外は、行ったことがありません。 ましてや、英語もラテン語も話せません。現地へは、商社の人が連れて行ってくださいました。 ロサンジェルスでアメリカの国内線に乗り換えます。そこからサンディエゴ(宿泊場所)に移動します。

サンディエゴに出発する前は、出張時の注意がありました。宿舎から出歩くな。ティファナでは、タクシー運転手もライフルをもっているので 一人では乗るな。夜は、お姉さんと仲良くしてはダメとか。注意は、良いけど仕事は朝の7時30分から夜中10時まででした。 サンディエゴ動物園やシーワールドに行く元気は、無かった。

昔昔、小学校の遠足前には、耳からこぼれるほど 注意を受けたことがあります。40歳過ぎてもコレダモンナー。

ユナイテッド航空

搭乗した飛行機は、ユナイテッド航空のビジネスクラスでした。 お話は、この飛行機の中です。乗って初めは、カルチヤーショックを受けました。室内係の女性は、 少しお年を召した女性ばかりでした。東南アジア便では、ツッケンドンな室内係でも30歳台までです。 ましてやシンガポールエアーなどは、シェラザード姫伝説のような抜群のプロホーションの 女性ですから。

でもユナイアテッド航空の室内係りは、笑顔が最高でした。英語の話せない私は、世界共通語の笑顔だけは得意です。 おかげで片言の会話と笑顔で、機内は快適でした。

待ってました。機内食とワインリスト。
赤:4種類
白:4種類
スパークリングワイン:3種類

ワインリストには、地方名とワインの「味」の説明が有ります。
英語は、話せなくなくてもワインの単語は、何とかわかります。
赤は、カリフォルニアのフルボディのを。
白は、イタリア「スカーナ地方」の辛口を選びました。
結構こちらの好みを聞いてくれます。赤ワインは、ワインリストのとは違うものが でてきました。ワインの好みを明確に言うのは、結構楽しいです。
ホテルでも同じです。
まず金額。
赤、白の好み
お金と知識に余裕があれば、地方の指定。

ブーブー・クリコ・ポンサルタン/ブリュツト(ドライ)

私の選んだスパークリングワインは、ブーブークリコです。今のシャンパン製造方法は、 この会社によって開発されました。その時の社長は、女性です。今でもコルク栓の上には、 彼女の肖像画の金属キャップが付いています。ブーブークリコは、日本で3350円程度で買うことができます。 安定したスパークリングワインが楽しめます。
女性は、炭酸ガスを含むお酒を好まない人がいます。 そんな場合は、マドラー(無ければ箸)でかき混ぜて炭酸ガスを弱くします。スパークリング ワインの良質な物は、最高の白ワインから造ります。炭酸を弱めて白ワインとして楽しむ方法も 有ります。(勿体無いはなしですが)
モエ。シャンドン社/ドン・ペリニオン
室内係りの女性は、私のワインの好みが明確(少しは知っている)と思ったのでしょう。 彼女は、ドン・ペリニオンを持って来ました。多分ファーストクラス用に準備されたものと 思います。

「Do you like this ?」
「No sanks. I like culico Better.」
「What?」

話が通じないと思った彼女は、日本語のできる室内係(日系女性、きわめて上品) をつれて来ました。
自分の好みは、「ドン・ペリニオン」ではなく「クリコ」がいいのです。理由は、自分の好み なのだからと話して納得いただきました。(別に納得とかの交渉の類ではありませんが)
でも彼女達には、最高のもてなしが私に通じないと思ったのかも知れません。 でも私は、元来クリコの方が好きなのです。

ここて「ウンチク」
*ワインやスパークリングワインは、ただアルコールを楽しむものでは無いようです。
*すばらしい「料理」には、すばらしい「ワイン」をと思います。
*食事に良いワインの出る時は、調理する人の腕の見せ所が直接感じられます。
*まずは「料理に合わせたワイン」のポトル1/3を厨房のコックさんにまわします。
*彼らがエキサイトしたと解るのは、次のお皿が来たときです。
*ワインは料理を引き立て、また料理はワインの味わいを変化させます。 良いワインは、メイン料理の出る1時間後が最高の味わいになっています。
*結論、機内食では、この楽しみは有りません。ドン・ペリニオンを飲んでも只のお酒で終わります。 それなら機内食ともバランスのとれるクリコで十分です。
*食事全体のバランスが狂うと、すべてがダメになる場合もあります。だからドン・ペリニオン を頼みませんでした。


ユナイテッド航空からの贈り物


ラベルを剥がすために湯に入れたけど剥がれなかった。 仕方ないので写真で残しました。
アメリカワインのラベルは、はがれない。ヨーロッパ産のスパークリング ワイン以上に剥がれない。ラベル集めの楽しみが減るんだけどなー。
日本からロサンゼルスまでは、9時間の飛行でした。
飛行機が着陸する少し前に男性の室内係がワイン(1本)を持ってニコニコして来ました。 『これは、あなたへのプレゼントです。』
私は、あまりカリフォルニアワインに詳しくないので「Thank you!」と返事した だけでした。でもワインを開栓したら最高のワインでした。室内係りが私にプレゼント して下さったのがよく解ります。

ありがとう。おいしくいただきました。

いただいたワインの中味
(1990年版世界の銘酒辞典講談社参照 値段は今も変わりないと思います。)

クロ・デユ・ヴアル・ワイン社/国内販売会社カルピス
カリフォルニア州ワイン
ボルドー育ちの醸造家が '70年に設立したワイナリー。 メルロは重厚でコクのある赤。ピノ・ノワールは熟 成された渋みと酸味がほどよく調和。カベルネは飲 み口ソフトでエレガントな風味をもつ。(各750ml)

ワインの名前は、このページのトップ写真(ボトルの右)からです。
クロ・デユ・ヴアル・ピノ・ノワール 86年¥4、000
クロ・テユ・ヴアル・メルロ 86年¥4、500
クロ・デュ・バル.・カベルネ・ソーヴイ二ヨン85年¥5、000
いただいたのは、これ。




サンディエゴは、定年退職した人が生活する町です。普通より裕福なんでしょう。 100mの間に2軒程度しか家が建っていません。豊かな国の豊かな場所ですよ。 日本人の私でもうらやましいと思うんですから。

サンディエゴは、ティファナと国境で接しています。メキシコの人には、国境の金網越しに天国がみえる・・・・。



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